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2023/06/1
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2023/05/1
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2022/05/17  NEW!
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2021/06/4
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2020/04/13
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2020/02/28
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2019/05/07
日本インダストリアル・エンジニアリング協会の機関紙「IEレビュー」310号 2019 Vol.60 No.2 に大塚の特集記事『生産効率は上流のモジュラーデザインで決定する』が掲載されました。

2019/03/14
日本インダストリアル・エンジニアリング協会より、功労賞を授与されました。

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2018/09/26
弊社、常務取締役の大塚泰雄が代表を務める モジュラーデザイン研究会の【ECM/MDI 第6回定例講演会】が 来る10月22日(月)に品川で開催されます。 モジュラーデザインに関する研究報告や事例発表の機会と なっております。 参加費は無料ですので、ぜひご参加ください。 申込みはコチラより。

2018/09/20
橋本賢一の新著『実践 原価計算』が10月12日に日本能率協会マネジメントセンターより出版となります。こちらから予約を承ります。

2018/04/26
日本プラントメンテナンス協会の機関紙プラントエンジニア2018年5月号に、橋本の特集記事『業績に直結する改善活動の進め方』が掲載されました。

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2014/12/26
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2013/11/14 
大塚泰雄の新著『トコトンやさしい原価管理の本』が11/14に発売になりました。

2013/10/11
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コンサルタントコラム

コンサルタントコラム

  

 製品価値を上げるには4つの方法がある

   ー製品価値を付加価値増と原価低減で上げていくー

 

 顧客ニーズの多様化が進んでいる今日、価値の高い製品を開発することは急務です。製品価値を高める技術として約80年前に開発されたVE(Value Engineering:価値工学)があります。今回のコラムでは、このVEを紐解きながら、製品価値を高めることを考えていきたいと思います。

 

1.VEの誕生

■VEは今から約80年前に誕生した


 1947年アメリカのGE社でアスベストの調達においてこんな出来事がありました。時期は第二次世界大戦が終わって間もない頃で、物資の豊富なアメリカとはいえ不足気味で、工場の床に使用するアスベストを購買部で調達しようとしたところ、価格が倍以上に跳ね上がってとても購入できる状態ではなかったのです。
 そこで当時購買部長であったマイルズ氏が専門業者に相談したところ、「アスベストは何のために使いますか」という質問がきました。マイルズ氏は「工場の床の延焼を防ぐために使います」と答えると、「それでしたらもっと安くて良い材料があります」という回答がきました。
そこでマイルズ氏は、床の材料をアスベストより目的にあった安くて良い提案のあった材料へ変更するために、工場の防災規則を技術的裏づけのもとに検証し会社へ対し説得を続け、ついに目的にあった最適な部材の変更へ漕ぎつけました。これを『アスベスト事件』と呼び、VE誕生の出来事と言われています。 この事件により、次の4つの教訓を得ています。
@何のためにそのものを使っているかという目的本位の思考
A業者の専門知識の収集と活用による改善変更
B目的は一つでも手段は多数あるという、代替案の創造への期待
C改善に障害はつきもので克服には忍耐力と説得力が必要

 

■価値は機能とコストのバランスで決まる

 

 VEは英単語の2語からなり、VはValue(価値)の頭文字、EはEngineering(工学)の頭文字をとって構成され、日本語では価値工学と翻訳されています。価値は“ものの大切さの程度。値打ち。効用”であり、工学は“基礎科学を工業生産に応用して生産力を向上させるための応用的科学技術の総称”です。つまりVEとは、ものの大切さや効用を向上させる科学技術なのです。
ここで“価値”を身近な例で考えてみましょう。みなさんがインターネットで家電製品を購入されたとします。そこで実際にこの商品を使用した時に得られる満足度は、2つのケースが考えられます。1つ目は支払った費用の大きさに対し得られた効用が小さければ高いと感じるケースです。2つ目は逆に支払った費用の大きさに対し、得られた効用の大きさが大きければ安いと感じるケースです。ここには、支払った費用の大きさと製品により得られた効用の大きさとのバランスがあるからです。

 VEではこの満足の度合いを「価値」で表現し、支払った費用の大きさを「コスト」で、得られた効用の大きさを「機能」で表します。つまり、機能をコストで除したものを価値としています。この算式は機能とコストのバランスを示していて、見方を変えると重要な機能であればコストをかけて良いが、重要でない機能にはコストをかけてはいけないという意味にもなります。

 

 

2.価値を上げるVEの5原則

製品価値を高めるには、常にVEの5原則でチェックする


 

 それでは、価値を向上させるためにどのような項目を検討していけば良いのでしょうか。VEの目的は、唯一の算式V=F/Cに示すようにV(価値)を改善し向上することにあります。その手段として顧客が求めているニーズを製品またはサービスに対する“機能”で捉え、機能をベースに最適構造を創造により創り込む必要があります。当然、機能に見合った最適構造とは、コスト面も含めV=F/Cのバランスのとれた状態です。この活動は常に個人のレベルで行うのではなく、チームによりステップに沿って進められなければなりません。
以上を行うにあたり、VEでは「VEに取り組む基本的姿勢」として以下の5原則を用いて価値の改善・向上活動を推進しています。

第1原則:使用者優先の原則   ・・・・・理想的な顧客の立場に立って考える
第2原則:機能本位の原則    ・・・・・機能本位の考え方に徹する
第3原則:創造による変更の原則 ・・・・・創造へのたゆまぬ努力をする
第4原則:チーム・デザインの原則・・・・・第一級の技術を結集する
第5原則:価値向上の原則    ・・・・・常に問題を機能とコストの両面から追求する

 

 

3.製品価値を向上する4つの方法

常に問題を機能とコストの両面から追求する

 

 価値向上の原則とは、常に製品が抱えている問題を機能とコストの両面から追求することです。VEは“満足の度合い=得られた効用の大きさ/支払った費用の大きさ”で表し、これを唯一の算式であるV(価値)=F(機能)/C(コスト)と説明しました。
価値を向上させるには、数学的に考えるとV=F/Cの組合せでいくつかのパターンが考えられます。グラフは縦軸にF機能(上に高機能・下に低機能)を取り、横軸にCコスト(右に安いコスト・左に高いコスト)をとり、赤丸は現状の製品価値を表しています。ここで、赤丸を出発点に考えると、価値を上げる方法は次の4通りが考えられます。

@F機能を保ったままCコストを安くし改善を行う(機能固定)
AF機能の向上を行いCコストも安くし改善を行う
BCコストを保ったままF機能の向上をはかり改善を行う(コスト固定)
CCコストは多少アップするが、より優れたF機能に改善を行う

 それぞれの価値のとらえ方をよく見きわめ、各パターンに対応させた製品作りに心がけて、消費者のニーズに答えることが大切です。また、企業活動や消費活動において、排出される廃棄物のリサイクル問題、有害物質のチェックなど、商品価値をどの断面で考えるかの判断も重要になります。

 

4.製品機能を向上する方法

■現物からのアイデア発想はご法度

 

 通常、製品の改善を行う場合、現状の構造を分析してムダを排除していく“分析型アプローチ”が主流です。しかし、この分析型アプローチでは現状の構造から脱皮することができず、多くのコストダウン金額が望めないためVE手法では認められていません。
そこでVE手法では、現状の構造を“機能定義”により“もの”としてみるのでなく、“はたらき(機能)は何か”からのアプローチをとっています。例にある扇風機の場合は、構造はひとまず置いておき、はたらき(機能)は「風を発生させて涼感を得る」になります。私達の思考は一度もの中心の考えに傾いてしまうと、考えがある一定方向に固定され、なかなかそこから脱皮できなくなってしまいます。この“機能”からのアプローチをすることにより現物思考だった発想がかわり、アイデアの範囲を広げることが可能になります。

 現物思考では、扇風機は羽根を回すという固定観念から脱却できませんが、機能から発想すると羽根のない扇風機の発想も可能になります。

 

 

5.製品コストを下げるする方法

■製品の目的である基本機能は何か?(理想材料費を考える)

 

 図6は、材料費における理想材料費(あるべきコスト)を求める考え方を表しています。扇風機を例にとって考えてみましょう。
扇風機全体のコストを投入材料とし、それを完成材料と技術歩留ロスに分けます。完成材料には“製品の設計上不可欠の機能を有する材料”の“基本機能と”、“基本機能を補助する材料”の“補助機能”に用いられる材料があります。基本機能は、目的機能である「風を発生させて涼感を得る」ために必要な“羽根”“モータ”などで、補助機能は、目的機能を支える“ガード”“支柱”などです。
技術歩留ロスとは“設計技術上発生する歩留ロス”と“生産技術上発生する歩留ロス”に区分しています。設計技術上発生する歩留ロスとは、設計者がデザインした形状に対して発生したロス(スクラップなど)で、生産技術上発生する歩留ロスとは、デザインされた形状を生産時において材料取りをする際に発生するロスです。
以上を整理して、理想材料費は基本機能を基本機能材料費と補助機能の1/2のコストをプラスしたコストと考えます。理想材料費は、〔基本機能+補助機能×1/2〕で求めます。つまり、目的にはしっかりコストをかけ、それ以外のところには1/2のコストを配分し、ロスは認めないという考え方です。理想材料費を目標値として設定することができます。

 

 

6.製品価値を付加価値増と原価低減で上げていく

■理想材料費追求と製品価値向上との関係

 理想材料費は現状構造のあるべきコストであり、製品価値向上には“機能”と“コスト”のバランスが必要です。最終的に会社に利益をもたらすには、どのようなやり方があるかを、売価と利益、付加価値の関係より考えてみましょう。まずは、付加価値の重要性からです。

 

■付加価値の重要性を知る

 付加価値とは企業が生みだした正味の価値を言い、売価に対する付加価値の比率を付加価値率といいます。付加価値は外から購入した材料費(外部購入費)と売価との差であり、社内で加工を加えたかどうかは関係なく、外部から購入した材料から、顧客価値の高い製品の開発や設計によって高価格の製品ができれば高くなります。したがって、研究開発タイプの会社の付加価値は高いのが普通です。
付加価値率は(売上高−材料費)÷売上高で計算します。製造業の付加価値率の平均は約50%で、材料費の倍が売値となります。付加価値率の低い業種は、缶詰製造業、製材業など1.5次産業であり、高い業種は印刷業、金属工作機械製造業、精密機械機器製造業など加工度の高い2次産業です。付加価値を上げることは、利益向上へ繋がっていきます。

 

■製品価値を上げるには

 ここで、「4.製品価値を向上する4つの方法」と「売価、付加価値、利益」の関係を整理してみましょう。

@F機能を保ったままCコストを安くし改善を行う(機能固定)
機能固定の製品は、製品機能に対し顧客は満足しているため、全社一丸となった材料費・労務費・経費のすべての原価低減が必要になります。
扇風機では、現状の機能はそのままで、理想材料費を求め補助機能である“ガード”“支柱”などのシンプル構造化、技術歩留ロスの徹底的な削減が必要です。

 

AF機能の向上を行いCコストも安くし改善を行う
この製品は機能向上と原価低減が必要です。機能向上については顧客の求める機能の再チェックを行い、不足している機能は追加し、現在保有している機能の実現方法(構造)についても、機能からの発想で画期的な構造への変換などの検討が必要です。
扇風機では、スペースを取らない折り畳み式構造や、エアコン機能にあるような人を感知する機能などがあります。コストについては、@と同様原価低減を行い、よりコストの安い機能実現の構造追求も大切なポイントです。

 

BCコストを保ったままF機能の向上をはかり改善を行う(コスト固定)
コスト固定の製品は、前述した羽根のない扇風機のように画期的な構造により製品の付加価値を上げることができ、コストを維持したまま売価を上げることも可能になります。欧米の製品は、ふつう考えつかないような画期的な製品を生み出しています。これは、VEの基本である機能からの発想があるのではないでしょうか。

 

CCコストは多少アップするが、より優れたF機能に改善を行う
より優れた機能に改善するためにはコストが必要です。しかし、コストをかけてもそれ以上の機能が創出できれば、製品価値は上がっていきます。
“羽根のない扇風機”“折り畳み式構造”“人の感知機能”など発想は画期的かもしれませんが、現状のコストでの対応は難しいかもしれません。しかし、大切なことは顧客がその扇風機に価値を見出すかです。価値を見出せば、多少の売価アップはクリアーできるはずです。本来のVEで目指すところはここなのかもしれません。

 

 今回は、製品価値の向上についてVE手法を中心に述べてきました。重要なことは、顧客が求めている製品を作っていくことであり、それが顧客満足につながっていきます。とかく、VEというとコストダウンに走りがちですが、現状の製品にとらわれ、機能アップを忘れてしまいます。ここでもう一度原点に立ち、顧客が求めているものを明確にして、顧客が「アッ」というような画期的製品を目指し、売価・原価・付加価値の関係を理解し、適正な利益確保を考えてみては、いかがでしょうか。

 

■参考文献

・実践価値工学      手島直明   日科技連
・VEがやさしくわかる本 小川政夫   日本実業出版社
・VEの基本              産能大学出版部
・実践原価計算      橋本賢一   日本能率協会マネジメントセンター

 

 

 

 

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